新茶の仕入れをする際に審査茶碗を使ってお茶見本を拝見します。
香り・味わいが優れているか、値段と比べて妥当なものか、そして欠点は無いか。
審査茶碗に3,4g入れて熱湯を注ぎ入れた後、アミ匙で茶葉をすくい匂いを嗅ぎスプーンで湯をすくって飲んで香味を確かめます。
熱湯で出してお茶の良いところも悪いところも全てだして確認します。
茶農家にとっては久し振りの茶製造で、最初のお茶は感覚をつかむのに緊張しながらの製造になります。
機械も掃除をして油を差して、摘採も丁寧にしていざ製造に臨んでも時に失敗もあります。
製茶機械や茶刈り機に注した油が茶に付いたり蒸しの蒸気が茶葉に平均に行き渡らなかったり...。
この「油臭」、昔は最初のお茶に埃と共についていることが時々ありました。
即座に返品対象になる訳ですが「出荷する前に自分の作った茶を確認しろ」などと小言を云う事も少なくなりました。
機械を丁寧に掃除してもなかなか埃は取り切れませんので、今は最初のロットを小さくして製造したものは廃棄するようになりました。
蒸しのムラを起こすと、茶葉の一部が紅茶のように茶色くなります。これはちょっと飲めません。
その形から「えび」などと云います。これも使い物にはなりません。
油臭に似たものに「乾燥不足」があります。
茶製造の最後の工程の乾燥が不十分ですと、油臭に似た匂いを感じることが有ります。
油臭と違うのは茶問屋の仕上げ火入れでこの匂いは無くなることです。
しかし、荒茶のまま秋まで冷蔵庫で保管すれば劣化の原因になります。お茶は何より水分を嫌います。
すぐに仕上げをするものなら良いとはいえ、やはり茶農家の姿勢が気になります。
そんな事を1つの審査茶碗のお茶から読み取ってゆきながら、今年も新茶仕入をしてゆきます。 !(^^)!
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