「深蒸し茶は急須の目が詰まってうまく淹れられない。(T_T)」というのは昔から聞く言葉です。深蒸し茶が粉っぽいのが原因です。
昭和40年代には消費地からのクレームが頻繁にあり生産家も出来る限り粉なれないお茶を作ろうと努力したものです。実際、芽重型整枝栽培の力強い茶の芽を丁寧に製造して作ったピンと伸びた深蒸し茶がありました。
蒸しが弱いかな?と思って淹れてみると綺麗な緑色の水色です。間違いなく良く蒸されたお茶でした。
では何故そんなお茶が無くなったのか!?一見大きく見える茶よりこなれた茶葉の方を嫩(ミル)く評価した茶商の見識の無さでしょう。
昔の話はともかく細かな茶葉の深蒸し茶を淹れるのにはどうしたら良いでしょう?
まず、深蒸しの荒茶を仕入れた茶商は仕上をして粉を除去します。その粉の外し方が十分でないと詰まり易いお茶になります。下は左(荒茶)と右(簡単に簸だしたお茶)です。右の画像の上部が粉の部分です。
買われたお茶を見て、軽い粉が沢山ないか確認できます。
←粉の部分 ←粉と本茶の境目 ←本茶(深蒸し茶) |
何れにしても詰まり易いことに変わりはありません。
そこで開発されたのが深蒸し茶用の急須です。左はその一つ「帯網急須」と言われるものです。中央と右は細目(ささめ)と言われる茶漉しの付いた急須です。実際に淹れてみると下のようになります。
茶葉6g、180㏄の湯、1分で淹れました。
右は急須を揺らして茶葉が揺らぐようにして淹れました。中央は急須を回さず静かに淹れました。左は回して淹れました。
右はオリが沢山出て水色が綺麗ですが眼が詰まって湯が残ります。急須の反対側をポンと叩いて茶葉が茶漉しから離れるようにして淹れることを何度か繰り返しました。
中央はほぼ1回で注ぎ終わりました。左も急須を回して淹れましたが詰まること無く1回で淹れ終わりました。
2煎目も淹れてみました。今度は3つとも急須を回して茶葉が揺らぐようにして淹れました。(茶碗それぞれ2つずつで右側が1煎目左側が2煎目です。
中央と右は茶漉しが詰まるので何回も急須の注ぎ口の反対側を手でポンと叩いて淹れることを繰り返しました。それでも矢張り手間が掛かります。
左の急須は2煎目もスムーズに淹れる事ができました。
結論としては、中央の1煎目は味に透明感がありますが深蒸し茶を好まれる方にはまったり感が少なく物足りないかも知れません。変化を楽しめる方には良いかも知れません。矢張り深蒸し茶用の急須を使うことが便利で簡単だと思います。ストレスも少ないでしょう。
参考になれば幸いです! !(^^)!
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